風景シリーズ

吉野山
吉野山の冬景色。この山には、6年住んだことがある。冬は凍てついたものであるが、銀の粉がかかった聖地―でもそこに、歴史や数多くの悲話。そしてたくさんの想いや念もつまった深い層でできていた。人々はその層、ひとつひとつを味わいたくて、街からやってくるのだろうか。単なる自然の山ではなく濃密な磁場が感じられた。古の秘教の、山―吉野山。

光の滝
24年前、はじめてヒマラヤへトレッキングに行った。何か全然違うあちら側にいってしまうような世界を想像して旅立った。毎日、夜明けとともに起き5時間程で次の村につく。粗末なカレーの食事。最低1時間は待つ。でも空腹のお腹には例えようも無くおいしく、又、薪の火での調理は深い味わいと香りがお腹だけ出なく心にも染みわたる。そんな日々に見た夜の光る滝と星が忘れられない。