Religionシリーズ

Dipankara Budha
この仏は、過去世に出現し、シャカム(ブッダ)に将来は仏になろうと予言した。童子は花を散らし、自らの髪を解いて、そのを上を如来に踏ませた。その美しいストーリー。この仏の右手は掌を正面に向けた施無畏印、左手は親指の先と中指とを合わせて円を作り、手全体を下に下げる施無畏印。これは衆生に呼びかけ安慰される事、願いを叶える事を意味する。

天からの風
その向こうには白い山、宇宙にまで澄き透る蒼い空。白い山から、立ち昇る虹。その虹は、彼方への入口の門を通りぬけ風に乗って、蓮華を染める。入口の上には、燦然と輝く黄金の日と月。ふとみると、小さな白衣の神が、ゆらぐ雲に乗って、まばゆい光を放ちながら浮んでいる。ここは天からの風が吹くところ。白衣の神も、優しい天からの風をまどろむ。

想ひ(Thoughts)
喜び、悲しみ、生きていくうちに味わう様々な感情。それらが通過し、ろ過されたものが表情になってゆく。表情のエッセンス―想ひ。辛い苦しみを乗り越えると受容と言えるような深く優しい表情になる。それは単なる優しさではなく、深い笑みともアルカイックスマイルとも呼べる神秘を湛えた表情。その苦しみのはての上澄み液のような透明感をも描きたかった。

ミラレパ
ミラレパは幼時、親戚の者に財産、家、土地を騙し取られ、家族離散になり、復讐の旅に出る。黒魔術のグル(導師)を見出し、優れた力で術をマスターし村に戻り、呪術の力で親戚をひいては村人をも皆殺しにして、その復讐を遂げる。その後、自分の罪を深く悔い、導師を求めてティロパ、ナロパという師に出会い、とてつもない苦行をし、遂に悟りを得たという。

Silent Calling
その神は森の中で黄金色に輝きながら自然の声,宇宙の声、声なき声を聞いている。人間が聞かなくなった声を。その代わりに人々は洪水のような情報にながされ、焦燥感に苛まれ、不完全感を覚えるようになって久しい。一人一人の人生に呼びかけるサイレントコーリングは実は人類の21世紀の新しい生に突入する為の進化を導くものである。声なき声に耳を傾けよう。

菩薩
その静かな空間に満ち満ちてる、暖かく、光り輝く、エネルギー。菩薩は何を想うか、その繊細な指を頬にあて、たたずむ。聖なる想ひが、見えない波のように、人の心に流れこむ。人は、見るのでなく、見られるために、聖なるものに会いに行く。広隆寺の弥勒菩薩は朝鮮~やってきて大陸の表情が残るがこれは完全に創作で和の心を表現した。

Holy Kiss
誠(意)とは「言うことを成す」と書く。言うは易し、行なうは難しで、誠実に人と付き合うということは、簡単なようで、中々むずかしい。そのむずかしい事が欲しくて、欲しくてたまらない人があり、手のひらと手のひらを合わせ「聖なる口づけ」(Holy Kiss)という絵になりました。想いさえ通じていれば手と手を合わせるだけでも充分なものです。そんなつながりってまれゆえ貴重なもの。

Morning Angel
燃え上り、のぼる朝の太陽をみて、天使は想う…「きっと今日もステキなことが」 人は落ち込む時はパワーのあるもの、明るいものにひきつけられる。その中でも朝日は抜群である。自分を励ます為、また人を励ます為、朝日の持つ力とそれを浴びてやる気満々の天使を描いてみた。人々の爽やかな朝の目覚めに、天使がやって来ますようにと…