桃源郷シリーズ

桃源郷
目の前にヒマラヤ。空中楼閣。でも、これは農家。大変だが豊かで簡素な暮し。…農家すなわち豊家がある。そんな村のおとぎ話。桃の花咲き乱れ、香りが村を満たす。深い喜びに満ちた、素朴な暮らし。時はゆっくり流れ、時間の密度は高い。何万年も続く自然の暮らし。調和の暮らし。現代が失った謙虚な暮らし。桃源郷には深い太古からの智慧が詰まっている。それが神のお喜び。

Garden1
静かな庭園を散策すると、ジャスミンのからまる、アーチ型のくぐりドアのような生け垣。向こうから差し込む光に花が輝く。時が止ったような神話の庭。心が、深い静寂に落ちていく時。精霊の気配がする。ふと思い出す記憶。…そうだった。500年前、私はここに住んでいた。やさしい夫と一人の息子。ある日夫は、チベットに旅立ちニ度と戻っては来なかった。