トロピカルシリーズ

Tropical Paradise

南国の楽園のお話。極彩色の鳥が歌い、ヤシの実が実っている。暑い海からの風。18年前、バリ島,ロンボク島を旅した。空港を降りたとたん南国のなんとも いえぬむせるような香りと車のワイパーで視界をぬぐったような鮮やかな植物の緑や花の色に圧倒された。そこに滞在して絵を描いた。そこでインスピレーショ ンを受け、スランプから脱出したのを思い出す。

満月の夜
夜光虫を映し月を映し、夜は静かに心に溶けてゆく。中心の月に向い、人は銀の糸をたぐり、あちらの世界へ、魂を飛ばしてゆく。月までたどりつくと、そこはブラックホールへの入り口。どんどん螺旋状に吸い込まれていく。ゴォーという大音響。ふと我に帰ると、夜光虫のゆらめく波間に浮かんでいる。静寂。人生は夜光虫の夢のようなもの。かそけき光を放つ。