Moon LIGHTシリーズ

スワヤンブー・フル・ムーン
13年前、この国の男性と恋におちた。たった1ヶ月の短い恋。二人で歌い飲み、訳の解らぬ議論を繰返し酔ってゴミ溜にもつれこんだ想い出も、もう遠い昔。頭を冷しに1人でチべットに旅立ったっけ。ある真夜中、満月をみながら二人でこの山をかけおりた。こっそりそれを見ていた悪ガキ共も、もう中年のいい親父になっていることだろうな。

Full Moon Sea
この絵の月は煌々と照る月の光。そして、その光を微妙に映す、雲海のようにも思える海のうねり。風景として描きながら心の中にいつも絶えることのない想いの光とでもいうべき、内光としての光を表現したかったのです。またこの世のものではない、あちら側の世界からの光(導きとして)としても描きたかったのです。この絵の表すところは銀だと言った人がありました。

月の子供
月の子供は、その重い頭を、手の平に載せて、メランコリックな、想いにふけるのでした。「ぼくは、どこからやってきたのだろう?」「そして、どこに行くのだろう?」と。星のくずで作られた月の子供は、キラキラ光りながら、今日もぼんやり考えている。「もうすぐ夜明け。そろそろ眠らなくちゃ」小さな口から、あくびが洩れた。頭を星の枕に横たえて可愛い寝息を立てた。

月の化神
以前、吉野山に住んでいた時、裏の杉林を見ていると、ふと木立の後から、精霊が顔を覗かせているそんな気がしたものでした。人の心に潜んでいる、幻視感覚を描いてみたくなりました。実は一本一本の木には、それぞれの精霊が住み着いていて、夜ごと話を交わしているのかもしれないと。この家のバルコニーからは、ほんとうに美しい月が見えたものです。

Lotus Moon
ヒマラヤを遥か彼方に見おろし、その蓮はすっくと伸びていた。その葉の中は、雲海でゆらゆらとゆらめいてる。そこから伸びた蓮は三日月を戴いている。光輝くそのシヴァムーンは、宇宙の神秘を讃える。平和を夢見て、大きな蓮の花は、ユラーリ、ユラーリと、3億6千万年揺れている。弥勒はまだかいな。世界はあなたを、今か今かと待っている。

Moon Light Odessey
人は満月の夜、目をつむって横たわり、大地を指す―我、天と地をつなぐ者なり。想いのタイムマシーンに乗って、魂は月へ飛翔する。ふるさとの銀世界。月の入り口で、大きな音が鳴りひびく。なつかしい花園、なつかしい川の流れ、なつかしい人々との再会。ここは黄泉の国。「我帰れリ」しばしの休息。次のダイブに向けて想いをめぐらす。見果てぬ思い。

Moon Light Eden
いつか来る人類の黄金期 その時、照る月の光はこんなだろうか?